目次1. クライアントがキャリアコンサルタントに求めているものとはキャリアコンサルタントとして働いていると、目の前のクライアントが求めているのは「就職支援」や「スキル診断」だけではない、と気づく瞬間があるのではないでしょうか。彼らが本当に求めているのは、「自分らしいキャリアとは何か」を見つけるための、深い対話と内省の時間です。しかし、従来のキャリア支援はどうしても「アドバイス」や「情報提供」に偏りがちです。そこで注目されているのが、コーチングの視点と技法です。コーチングを取り入れることで、キャリア支援の場においてもクライアントの「自律的な選択」「深い気づき」「持続可能な行動変容」を促すことができます。2. キャリアコンサルタントが直面する3つの課題キャリア支援の現場では、知識や経験だけでは乗り越えにくい課題に直面することがあります。特に次の3つは、多くのキャリアコンサルタントが抱える共通の悩みです。(1) クライアントの「本音」が引き出せない相談者が語るのは「転職したい」「資格を取りたい」といった表面的なニーズが中心になりがちです。しかし、その背景にある「なぜそうしたいのか?」という根本的な動機や価値観に触れられず、支援が浅くなってしまうことがあります。(2) 自律的な意思決定をうながせないアドバイスや情報提供を求めるクライアントに対して、答えを与えることに偏ってしまい、結果的に依存を招いてしまうケースがあります。クライアントが自らの意思で未来を選択できるよう支援するには、深い対話と問いかけが必要です。(3) 支援者自身の在り方が揺らぐ支援者である自分自身が忙しさや制度対応に追われる中で、「本当にこの支援でよかったのか」と自問することもあります。自己理解やウェルビーイングを深める機会がないまま、疲弊してしまうキャリアコンサルタントも少なくありません。3. キャリア相談でコーチング的アプローチが活きる場面ここでは、キャリアコンサルタントがコーチング的アプローチを活用できる具体的な場面を紹介します。(1) 自律性の促進キャリアコンサルティングの現場では、相談者が何らかの「答え」を求めてやってくることが多くあります。しかし、その「答え」は誰かが与えるものではなく、自分の内側から引き出すものであるという考え方が、コーチング的アプローチの根底にあります。たとえば、キャリアの選択肢に迷っている相談者に対して、知識や情報を提供するだけでは、本人が納得して選ぶ力や意思決定の自信にはつながりにくいことがあります。そんなときこそ、コーチングのように「どうなりたいのか」「何を大切にしたいのか」といった価値観や願いに丁寧に耳を傾ける関わり方が、本人の内省と気づきを促します。(2) クライアントの不安に寄り添うスキル相談者が漠然とした不安を抱えているときも、コーチング的な関わりが活きます。「何が不安なのか?」「その不安の奥にはどんな思いがあるのか?」というように、一見抽象的なテーマでも、丁寧な問いかけと安心できる対話の場によって、少しずつ言葉になり、自己理解が深まっていきます。(3) 長期的なキャリアビジョンの共創一時的な選択にとどまらず、クライアントの「生き方」や「人生のビジョン」にまで目を向ける支援が可能になります。これはまさに、キャリア支援の真骨頂ともいえるでしょう。このような関わりは、キャリアの停滞感を抱える中堅社員やミドル層に対しても効果的です。成果や評価といった外的な指標に振り回されがちなビジネスパーソンが、あらためて「自分はどんな働き方をしたいのか」「どのように社会に貢献したいのか」と内省する機会を得ることで、前向きな変化が起こることがあります。4. ラッセルで学ぶコーチングラッセル ウェルビーイング コーチング カレッジでは、コーチングの国際資格を取得できるだけでなく、心理学に基づいた体系的なアプローチを通じて、深い人間理解に基づくコーチングを学ぶことができます。特にキャリアコンサルタントの方には、以下のようなメリットがあります:自己理解とウェルビーイングを深めるプロセスが、支援者としての在り方を整えるナラティブアプローチや認知行動療法的視点など、心理学ベースの技法がキャリア支援の幅を広げる少人数制・講師にすぐ相談できる環境で、忙しい実務家でも安心して学びを継続できるeラーニングで事前学習やリフレクションも可能。学んだことを即現場で活かせる構成5. まとめ:キャリア支援に、もう一歩深さを加えるためにキャリアコンサルタントとして、もっとクライアントに寄り添いたい。もっと根本的な変化を支援したい。そう感じたことがあるなら、コーチングの学びはその可能性を大きく広げてくれます。ウェルビーイングコーチング野学びは、単なるスキルアップではなく、自分自身の在り方を整え、支援者としての軸を持ち直すプロセスです。ラッセルでの学びは、キャリアコンサルタントのあなたにとって、支援の「質」を変える一歩になるはずです。当カレッジの次期ベーシッククラスの開講(2025年9月スタート)にあたり、プログラム詳細を案内する無料説明会も実施中です。説明会参加者様だけの受講費用1万円割引特典もご用意しています。お気軽にご参加いただければ幸いです。説明会はこちらからお申込みいただけます。最終更新日 2025年6月10日監修者プロフィール中原阿里:ICF国際コーチング連盟プロフェッショナルサーティファイドコーチ(PCC)、弁護士、公認心理師、上級心理カウンセラー、ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジ代表、CLARIS法律事務所代表弁護士、法務博士、ウェルビーイング経営アドバイザー。奈良女子大学英文科英語英文学科卒業、関西学院大学大学院司法研究科修了、米国イェール大学Science of Well-Being Course修了。弁護士として活動しつつ、2019年ウェルビーイングのためのアカデミックなコーチングスクール「ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジーRussell Well-being Coaching Collegeー」を設立。創立以来講師を務め多くのコーチを育成しながら、上場企業からNPO法人、大学、裁判所、弁護士会まで幅広い対象にコーチング研修を提供。現役の弁護士かつプロコーチとしても多数のクライアントを支援する。著書に「弁護士業務の視点が変わる!実践ケースでわかる依頼者との対話42例 コーチングの基本と対応スキル」(日本加除出版)など。■関連記事・コーチングとは?効果や意味、メリット、学び方をプロコーチがくわしく解説・ー2025年版ー【プロコーチが選ぶ】コーチングの学びにおすすめ本7冊と効果的な学び方とは・【2025年】国際コーチング資格取得について:特徴や選び方をまとめて解説■人気記事・コーチングの効果的な勉強法は?学び方やおすすめのスクールの選び方について・【GROWモデルとは?】コーチングの質問の型とすぐに使える具体的な質問例もあわせて紹介・「コーチングを学ぶ最適な方法とは?コーチングの難しさと確実に学ぶ方法をプロコーチが解説:本格的に学びたい方向け