1. コーチングには自己理解が重要?・コーチングとコーチの役割コーチングとは「答えはその人の中にある」という原則のもと、相手が持っている可能性や力を最大限に引き出し、目標達成やウェルビーイングの実現を支援するコミュニケーションスキルです。答えを与えるのではなく、本人が自ら考え、行動して課題を解決する力を支援します。コーチの役割は、自分の考えを相手に示したり、アドバイスすることではありません。質問やフィードバック、傾聴などのスキルを通じて、自分で望ましい状況を実現していけるよう、支援するのがコーチの仕事です。・コーチングにおける自己理解の重要性自己理解とは、自分の価値観や考え方、物の見方などをよく理解することです。効果的なコーチングを行う上で、コーチ自身が自己理解を十分に深めておくことは欠かせません。その理由は、コーチの自己理解が不足していると、自分自身の価値観や考え方に知らず知らずのうちにコーチが引っ張られてしまうその結果、偏ったアプローチを取ってしまうリスクが高まる点にあります。この点について、そもそも自己理解とはいったい何なのか、その点から説明します。2 自己理解の定義と得られるもの(1) 自己理解とは能力である自己理解とは、自分自身の価値観、信念、感情、考え方、行動パターンなどを深く理解し、それを客観的に見つめる能力のことです。(2) 自己理解によって得られるもの自己理解によって、自分の内面で何が起こっているのかを明確に把握できます。例えば、自分にどんな時に強い感情が沸き起こるのか、どんな価値観を持っているか、どんな思い込みを持っているか、といった点です。これらに気が付くことで、自分の内側の心の動きや反応が理解できるようになります。そして,これらが理解できると、自分の反応をコントロールできるようになります。自己理解は,いわば自分が生きる良い状態(ウェルビーイング)を知り、自分とうまく付き合うための能力とも言えます。(3) 自己理解で他者との関係性も良くなるまた、自己理解によって、他者に対してもより冷静で柔軟な対応ができるようになります。相手の行動や発言から起きる自分の感情の揺れが把握できるようになり、結果として、相手に振り回されなくなります。また、相手をサポートする際にも、自分の価値観を押し付けることなく、相手の考えを純粋に受け止めることができるようになります。自己理解は、自分とうまく付き合うための能力であると当時に、他者とのコミュニケーションやサポートの質を高めるための、幸せなウェルビーイングな関係づくりのための大切な能力なのです。3 自己理解を高めるポイントとは自己理解を高めるには、いくつかのポイントがあります。(1) 自分の価値観や信念を理解する自己理解の最初のポイントは、自分が何を大切にしているのか、どんな価値観や考え方に基づいて行動しているのかを理解することです。人の価値観には実に多様なものがあります。例えば、「全力を尽くすこと何よりも大事だ」という価値観もあれば「全力を尽くすよりも、気楽に続けることが大事だ」という価値観もあり得ます。こうした価値観は、自分の意思決定や行動の選択を決定づけているものです。ところが、人は、案外と自分の価値観には気づかないものでもあります。自己理解の基本は、まずは自分の価値観を知ることから始まります。(2) 自分の感情や反応を客観視する自己理解には、自分の感情を把握することも欠かせません。感情を把握するとは、自分が特定の状況でどのように感じ、どのように反応しているかを客観的に観察することです。人は感情的な生きものと呼ばれ、誰しも、感情に左右されて冷静さを失い、後悔した経験があるかもしれません。これは、感情自体の問題ではありません。どんな感情が起きても、それに対して自分がどう反応するか、その反応が大事なポイントです。その反応さえ理解して、コントロールできれば、望ましい行動がとれるようになります。これこそ、自己理解の良い使い方です。つまり、自己理解によって、感情に振り回されず、良い状態、ウェルビーイングな状態でいられるようになるのです。(3) 思い込みやバイアスに気づく自己理解では、自分の思い込みやバイアスに気づく点も重要です。私たちは無意識に自分の価値観や過去の体験に基づいて他者を判断したり、特定の見方を押し付けてしまうことがあります。自己理解を通じてバイアスを見つけることで、思い込みを手放し、よりフラットな視点で相手に向き合うことができます。人は、ともすると、自分と他者が同じ考えを持っているという前提に陥りがちです。しかし、自分について知れば知るほど、自分と他者が異なる価値観を持っていることに気が付いていきます。また、自分に対しても、「こうあらねばらならない」という思い込みが強すぎると、それが実現できなかった時に、モヤモヤが大きくなり、時には、自分を過度に責めてしまいがちです。自分の思い込みに気が付くことで、自分が楽になれる点も、自己理解の重要な要素です。4 自己理解が対人関係にどう役立つか自己理解が進むと,対人関係力や周囲を支援する力も増していきます。(1) 相手をよりよく理解するための重要なカギ自己理解が深まることで、他者の価値観や考え方が自分と異なることを自然に受け入れられるようになります。自分の価値観を客観視するということは、自分とは違う価値観があることを知ることです。それによって、多様な価値観を尊重し、相手の視点に立って物事を理解する力が高まっていきます。これにより、たとえば人生やキャリアについt相談を受ける場面でも、相手の言葉をフラットに聞き、相手の思いやウェルビーイングを引き出すサポートができるようになります。(2) 自分の価値観や理想像を押しつけない自己理解が高まると、自分の価値観を手放し、相手を自分の基準で評価したり、自分の価値観に沿って誘導するリスクが避けられます。誰かを支援しようとするとき、人はついつい自分の理想像を相手に求めがちです。これは、会社でも家庭でも,いろいろな組織内でも起きがちな現象です。しかし、本人の可能性を真に支援したいのであれば、支援する側の価値観や理想像を手放して、本人が、自分にとって最も合った、良い道を見つけるように支援する力必要です。自己理解が高まれば、自分の価値観を手放し、相手の支援に徹するにつながります。(3) 冷静でフラットなコミュニケーションができる自己理解が高い人は、自分の感情や反応をコントロールする力があります。自分の感情や相手の感情に影響を受けず、いわばフラットな視点で相手を受け入れて支援することができます。話を聴く側や支援する側がフラットな状態を維持すると、話を聴いてもらっている側は、自分を誇示したり、強く主張する必要がなくなります。言い換えると、素直に自分の気持ちに向き合えるようになります。結果として、本人の気づきが得られやすくなり、お支援の質が格段に向上します。5 コーチの自己理解がもたらす弊害コーチングは、本人の思いや気づきを引き出して支援するコミュニケーションメソッドです。良いコーチングを行うには,コーチ自身の自己理解が不可欠です。では、もしも,コーチ自身の自己理解が不十分なままコーチングを行うと、どんな問題が起きるのでしょうか。(1) 思い込みによるジャッジコーチが自分の価値観や考え方に無自覚だと、クライアントの状況や行動を,コーチの物差しで評価してしまうことがあります。この結果、相手に対して「これは正しい」「これは間違っている」と判断してしまい、本来のコーチングの目的であるクライアントの自己発見や成長を妨げてしまうことがあります。(2) クライアントを自分の価値観に誘導する危険性コーチが自分の価値観や信念に無自覚だと、クライアントを知らず知らずのうちに自分の価値観に沿った解決策や考え方に導こうとしてしまいます。例えば、コーチが、セッション中に,自分の価値感で「Aという方法が良い」と思ったときになぜAの方法をとらないのですか?Aをやってみたらどうですか?などと発言するケースです。これは,Aというの方法に誘導しているコミュニケーションです。しかし、コーチングの本来の目的は、クライアント自身が自分にとって最善の答えを見つけることです。自分の価値観を押し付けるつもりはなくても、自分の価値観に気が付いていないために、うっかりと誘導してしまうリスクがあることを,コーチは良く理解しておきましょう。(3) コーチングの信頼関係を損なうコーチの自己理解が不足していると、クライアントはコーチに対して「本当に自分の話を聞いてくれているのか?」「コーチの期待に応えなければならないのか?」と感じることがあります。こうした不安や疑念は、コーチングの信頼関係を損なう要因です。人は誰でも、自分の話を安心して話せる人や、心理的な安全を与えてくれる人を信頼するものです。コーチが自分自身の感情や価値観を手放し、ニュートラルに対応することで、クライアントが安心して自己開示できる環境が作れます。これが、コーチとクライアントの信頼関係の基礎になります。なお、コーチングについて詳しい説明は、こちらの記事をご覧ください。コーチングとは?効果や意味、メリット、学び方をプロコーチがくわしく解説6 自己理解に役立つツール紹介自己理解を深めることは重要とはいえ、忙しい毎日で自分と向き合う時間を持つのは難しいこともあります。そこで、自己理解を進めるツールの活用も効果的です。ここでは、自己分析や内省をサポートしてくれるおすすめのツールを3つご紹介します。異なるアプローチで自己理解を深める手助けをしてくれるはずです。(1) ストレングスクリフトンストレングス®(旧ストレングスファインダー®)とは、米国ギャラップ社が開発した個人の強みや才能を診断するツールです。Web上で複数の詳細な質問に回答すると、自分の才能や強みが34の資質の順位によって表されます。メリット米国ギャラップ社は世界幸福度ランキングのリサーチを行うなど、世界的なリサーチ機関であり、ウェルビーイングに関する研究も行う研究団体でもあります。データサンプル数も多く世界的に信頼できる点がメリットです。また、人の個性を,才能や強みというポジティブな側面からとらえ、それを伸ばしてくという考え方にも特徴があり,人の幸せやウェルビーイングを高める点も大きなメリットです。企業でも研修やチームビルディングに使われており、汎用性が高い点も優れています。デメリット34の資質に分けて考えるため、やや複雑で理解にはたくさんの専門的な知識と勉強が必要です。そのため、診断を受けただけで終わってしまいがちな点がデメリットです。自分の新だ結果を他者と共有したり,専門的な知識を持つコーチのコーチングを受けるなどして,活かしていくことがお勧めです。(2) エゴグラムエゴグラムとは、アメリカの精神科医であるエリック・バーン博士が研究した,交流分析という心理学に由来します。人の行動や交流パターンを5つの自我状態に分類して診断する方法で,わかりやすく自分を客観視できるようになっています。メリット伝統的な心理学の研究と共に開発されたもので、歴史があり,信頼性が高いものです。また、5つの自我状態によるカテゴリーの分類は誰にでも理解しやすく、自分の状態を把握するのに使いやすい点、単なる診断で終わらず、他者との関係をより良くする点に自己開発の手法としても使える点がメリットです。デメリットエゴグラムは診断した時の自分の状態に左右されやすく、結果が変化することが多いとされています。したがって一回だけで終わらず、定期的に診断して自分の状態の変化に目を向けると,自己理解や自己開発ツールとして、役立てやすくなります。(3) セルフコーチングセルフコーチングは、自分自身に対して問いかけを行い、自己成長を目指す手法です。内省や自分へのフィードバックを繰り返し、質問を通じて、自分の価値観や目標、課題を深く理解する実践のプロセスが特徴です。メリットセルフコーチングは、自分のペースで進められ、自分でいつでも実施できる点、外部のツールを必要とせず、無料で取り組めるコストゼロの点などがメリットです。また、決まった測定基準がなく、自分の価値観や感情をより深く探求できる点で、柔軟性が高い点も大きな特徴でありメリットと言えるでしょう。デメリットセルフコーチングは、自分の視点に偏りやすく、盲点を見逃すなど、客観性が低い点がデメリットです。また、すべて自分で行うため、コーチングそのものに対する理解や質問のスキルがなければ、効果が上げにくいでしょう。逆に、コーチングスキルが高ければ、いつでも自分でできるセルフコーチングは自己理解の有効な手段になります。7 自己理解のポイント(1) 自己理解の失敗例自己理解もコーチングも、自分や周囲が良い状態(ウエルビーイング)であるために行うものです。コーチングとウェルビーイングについては、ウェルビーイングコーチングプログラムについてご覧ください。その点で、自己理解には大きなメリットがある一方で、自己理解をすすめようとしてもうまくいかないときもあります。つまり、自信を失ったり,自分のウェルビーイングが下がってしまう可能性もあるということです。自己理解がうまくいかない例としては次のようなものがあります。自分の弱みや苦手にフォーカスして自分を否定してしまうなぜ自分はうまくいかないんだろう、と自分を責めてしまう他人と比較して落ち込んでしまうこうした状況を避け、ウエルビーイングを高める自己理解のためには、次のような観点が役立ちます。自分の強みやできている点に目を向ける自己否定の道具にしない他人との比較にこだわらない以下では、それぞれの観点に対する問いかけの例や考え方のコツを解説します。なお、コーチングの質問のコツについては、こちらの記事をご覧ください。【コーチングの質問とは?】質問の具体例をまとめた保存版リスト |避けるべき例も紹介(2) 自分の強みやできている点に目を向ける• 自分への問いかけ例「最近うまくいったことは?」「これまでの経験で、自分が特に得意だと感じたことは何か?」こうした質問をすることで、過去のポジティブな体験や成果を振り返り、強みを明確にすることができます。成功体験や好きなものリスト化するのも効果的です。• 考え方のコツ人は、どうしても自分の弱みや悩みに目が行くものです。逆に,強みや良い点は,意識しないと自分では目に入らないものでもあります。そこで、自分を振り返るときは、意識して視点を変え,強みや良かった点に目を向けましょう。なお、毎日の終わりに「今日うまくいったこと」を3つ書き出す習慣を作ると、自分の成長や幸せ、ウェルビーイングを実感しやすくなるという研究があります。(セリグマンらによる2005年論文:TGT エクササイズの効果をランダム化比較試験 (RCT:Randomized Controlled Trial)によって検証(Seligman et al., 2005))。また、小さな成果にも目を向けることが重要です。大きな成果に囚われず、「人に優しくできた」「予定通りに一つ物事を進められた」などの小さな良いこと、成長に目を向けましょう。(3) 自己否定の道具にしない人は,失敗やミスをしたときに、自分を否定する思考になりがちです。しかし失敗やミスは誰にでもあるものです。また,失敗やミス以外でも,ネガティブな感情が湧いてくることもあります。そんなときに、自己理解をすすめようとすると、自分を否定する思考になりがちです。いわば自己否定ループの状況です。その時、その状況から学べることや改善できる部分に目を向けることで、自己否定のループに陥るのを防ぎます。人には失敗やミスは必ずあります。自己否定せず、それも学びの一環と捉え、「ここからどう成長できるか」を考える視点を持ちましょう。なお,感情が思考に与える心理学的な作用を「気分一致効果」と呼びます。気分一致効果については、こちらの記事をご覧ください。気分一致効果とは―セルフコーチングにも使える心理作用―自分への問いかけ例「この状況から何を学べるだろうか?」「この感情は、どんな価値観から生まれているのだろう?」考え方のコツ: 自己否定しがちな場面では、自分を批判する代わりに、「大変だった」「自分なりに頑張った」といった声を自分に意識的にかけることで、自己否定ループを止めることができます。また、ループを止めるためには客観的な視点として他人からのフィードバックをもらうのも有効です。(4) 他人との比較にこだわらない自己理解の過程では,自分と他者を比較して落ち込んでしまう場合もあります。しかし,自己理解とは,自分の状態を整えて、良い状態=ウェルビーイングを目指すためにするものです。むやみに他人と比較して,自分への信頼や評価を下げないようにすることも大事です。• 自分への問いかけ例「今の自分にとっての成長とは何だろう?」「他人ではなく、自分の目標に向かって進んでいるだろうか?」「誰にも否定されないなら、どんな選択をするのかな?」他人との比較ではなく、自分自身がどうありたいのか、問いを立てるかかわりです。また比較するならば,その対象は他人ではなく、以前の自分と現在の自分を比較して、自分なりの進歩を確認しましょう。また、理想的な未来の自分はどうなっているだろう、と未来の自分やビジョンを想像し、自分自身の幸せを見つめる問いも役立つでしょう。• 考え方のコツ他人との比較を避けるには、「自分の価値観や目標に忠実であること」を意識することが重要です。自分と他者は違う人生を生きています。違いは違いであって,間違いではありません。周囲の成功や他人の尺度に影響されず、「自分にとって何が重要なのか?」を常に確認し、焦点を自分に戻しましょう。人と比較する思考が出てきたら、その瞬間に「自分にとってのしあわせとは?」と問い直し、自分軸に立ち戻る練習を続けることが効果的です。8 コーチとしての自己理解を深める方法コーチとして自己理解を深めるには、次のような方法がおすすめです。(1) ツールを使い自己分析を進めるコーチとして自己理解を深めるためには、自己分析ツールの活用も有効です。上記に挙げた、ギャラップのストレングスやエゴグラムなどの診断ツールを使うことも、自分の強みや性格的なパターンを客観的に把握するのに役立ちます。なお,どんなツールでも,受けっぱなしにせず,その結果をもとに、自分の思考や行動の傾向を整理することで、自己理解がとても深まり、よりフラットなコーチングが可能になります。(2) 客観的なフィードバックを受ける自己理解を深めるためには、他者からの客観的なフィードバックも不可欠です。フィードバックから,自分では見えにくい盲点や強みにも気づくことができ、フラットに自己の成長につなげることができます。なお,フィードバックによって自己理解を深めるなら,積極的にフィードバックを求めましょう。内容がポジティブであってもネガティブであっても,時には納得がいかなくても、いったん受け止めることです。そのうえでフィードバックを基にセルフコーチングをすると,さらに自己理解力が高まります。(3) 他者との対話で自己理解を深める他者との対話は、自分の考えや感情を言語化する過程で新たな気づきを得られるため、自己理解を深める強力な方法です。人は,直接自分を見ることはできません。他者の存在を通して,自分を見つめて自分を振り返ること,これが自己理解の本質とも言えます。実際,多くの人は,他者との対話の中で,初めて自分の価値観や信念に気が付いたという感覚や経験を持っているのではないでしょうか。また,他者からの質問や視点が自分の考え方に刺激を与え、これまで気づかなかった部分に気づくこともできます。学びの場など、対話ができる場所に参加することも、自己理解のために大いに役立つでしょう。(4) コーチングスクールで自己理解を学ぶ自己理解力を上げるには,コーチングスクールで学ぶことも有力な選択肢です。特に,自己理解を重視するコーチングスクールでは、自己分析や内省を促すプログラムが組み込まれており、自分自身の価値観や思考の癖を大いに見つめ直す機会となるでしょう。また,講師や他の受講者との対話を通じて、自分の価値観や思考パターンを発見しやすくなるという意味でも,スクールの受講は自己理解をあげるのに役立ちます。9 自己理解を深めるスクール選びのポイントコーチングスクールで学ぶ場合、スクール選びも重要です。(1) カリキュラムに自己理解のプロセスがあるかスクールによって、さまざまなカリキュラムが設定されています。自己理解はコーチングに不可欠ですから、スクールを選ぶ際には、カリキュラムの中に、自己理解や分析のプロセスがしっかりと組み込まれているかを確認しましょう。自己理解のツールについても確認するとさらに安心です。(2) 対話ができる環境かまた、講師や他の受講者と対話しながら自己理解を深められる環境が整っていることもポイントの一つです。できれば、少人数で、対話が多いスクールを選ぶとよいでしょう。(3) ウェルビーイングにつながる学びがあるかさらに、自己理解は、自分自身や他者の良い状態(ウェルビーイング)のために行われるものです。コーチングに加えてウェルビーイングについて学べる内容であれば、自己理解の質も高まり、結果として、質の高いコーチングが身につけられるでしょう。10 自己理解の重要性とポイントまとめ自己理解は、自分の価値観や考え方に気づき、それを客観的に見つめる力です。本記事でご紹介したように、自己理解は、いろいろなツールや学びを通じて高めることが可能です。自己理解は自分の人生や周りのウェルビーイングを高める素晴らしい力の一つです。自己理解を高めたい方、また自己理解を人間関係やコーチングに活かしたい方はぜひコーチングスクールでの本格的な学びも選択肢に入れることをお勧めします。当ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジは、ウェルビーイングを軸としたコーチング学習をオンラインで提供しています。ICF国際コーチング連盟の認定校でもあり、もちろん自己理解を深める講座カリキュラムも組み込まれています。少人数対話型のクラスで、受いろいろなワークを含んだ講座を通じて自己理解とウェルビーイング高まる構成です。ウェルビーイングのための自己理解、質の高いコーチングを習得したい方におすすめです。著者プロフィール中原阿里:ICF国際コーチング連盟プロフェッショナルサーティファイドコーチ(PCC)、弁護士、公認心理師、上級心理カウンセラー、ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジ代表、CLARIS法律事務所代表弁護士、法務博士。奈良女子大学英文科英語英文学科卒業、関西学院大学大学院司法研究科修了、米国イェール大学Science of Well-Being Course修了。著書に「弁護士業務の視点が変わる!実践ケースでわかる依頼者との対話42例 コーチングの基本と対応スキル」(日本加除出版2024年)など。弁護士として活動しつつ、2019年ウェルビーイングのためのアカデミックなコーチングスクール「ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジ」を設立。創立以来講師を務め多くのコーチを育成しながら、上場企業からNPO法人、大学、裁判所まで幅広い対象にコーチング研修を提供。現役の現役の弁護士かつプロコーチとしても多数のクライアントを支援する。最終更新日2025年2月11日■関連記事・コーチングとは?効果や意味、メリット、学び方をプロコーチがくわしく解説・【コーチングの質問とは?】質問の具体例をまとめた保存版リスト 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