コーチングは、個人の成長や目標達成を支援するコミュニケーション手法です。コーチは、質問やフィードバックを通じて、クライアントが自分自身の強みや課題を認識し、明確な目標に向かって進むプロセスを支えます。コーチングセッションを通じて、クライアントは自己理解を深め、結果的に、行動を変化させることができます。本記事では、そのような行動促進を支援するコーチングセッションの流れと、その効果について詳しく解説します。1. コーチングとはコーチングとは、クライアントが自分自身の目標や課題に対して、効果的な行動をしていく手助けをするプロセスです。コーチは質問やフィードバックを通じて、クライアントの思考を引き出し、自己理解を深め、具体的な行動計画を立てるサポートを行います。コーチングは、単なるアドバイスや指示をするのではなく、クライアントが自ら答えを見つけることを重視します。コーチングセッションの重要性コーチングセッションの重要性は、クライアントが自分の目標を明確にし、達成に向けて前進できるよう支援することにあります。セッションを通じて、クライアントは自分自身の強みや課題を認識し、具体的な行動計画を立てることができます。コーチは、クライアントに質問を投げかけたり、フィードバックをすることで、自己理解を深め、モチベーションを高めます。また、コーチングは、一回だけではなく、定期的にセッションを行うことが重要です。コーチとクライアントは、セッションの度に、目標達成の進捗を確認し、必要に応じて軌道修正をして、確実な行動促進や変化を目指します。2. コーチングセッションの流れ具体的なコーチングセッションの流れは、クライアントの目標やニーズに合わせて柔軟に進行しますが、一般的には次のようなステップが含まれます。(1) アイスブレイクコーチングセッションの最初にアイスブレイクを行うことで、クライアントの緊張をほぐし、リラックスした状態でセッションを始めることができます。軽い会話や簡単な質問を通じて、信頼関係を築くことにもつながるので、アイスブレイクは有効です。(2)前回とセッション間のふりかえり 前回のセッションから今回のセッションの間にふりかえりを行うことは、クライアントの進捗を確認するために重要です。クライアントと一緒に、前回設定した目標に対してどのような成果や課題があったかを振り返ります。(3)GRROOWWモデルアイスブレイクとふりかえりが終わったら、いよいよコーチングセッションのGRROOWWモデルに入ります。GRROOWWモデルは、ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジが独自に用いているコーチングの型です。基本的には、GRROOWWモデルに沿って、コーチングセッションを進めていきます。大枠としては以下の通りです。G テーマ・ゴールの設定R 現状確認R 資源を探すO 支障と向き合うO 行動の選択肢W 未来の創造W 自己決断 各ステージで聞くべき質問など、くわしくはこちらの記事をご覧ください。【GROWモデルとは?】コーチングの質問の型とすぐに使える具体的な質問例もあわせて紹介(4)クロージングGRROOWWモデルを一通り終えたら、クロージングに入ります。クロージングの内容は、セッション全体の振り返り、今日のセッションテーマを達成できたか、話残したことはないか、などを確認します。また、コーチからの承認や支援の表明をすることも重要なプロセスです。3. コーチングセッションで気をつけるポイント本セクションでは、コーチングセッション中に気をつけるポイントについて解説します。(1) 常にゴールに沿って展開する これはとても重要なポイントです。通常の会話とコーチングセッション内での会話との大きな違いの一つが、ゴールの有無です。通常の会話では、ゴールは固定されておらず、会話内容が移り変わっていくものですが、コーチングセッションには必ずゴールがあり、そのゴールに沿って、すべてのGRROOWWモデルの質問が展開していきます。たとえば以下のような質問が、ゴールに沿ったものです。そのことは今日のゴール〇〇に照らしてどんな意味がありますか。今日のゴール〇〇において、達成度はどれくらいですか。質問がゴールからぶれてしまうと、コーチがなにを質問していいかわからなくなったり、いまどのステージの質問をするべきなのか、わからなくなってしまいます。コーチは、クライアントとともに、必ずゴールを明確にして、セッション中は常にゴールを意識して質問をしていきましょう。(2) セッションの途中でゴールが適切か確認するさきほど、ゴールを常に意識することについて解説しましたが、もし、コーチがこのまま同じゴールでセッションを進めていいか迷ったときは、必ずクライアントに確認しましょう。たとえば以下のような質問が該当します。ここまで話してどうですかこのテーマのままで進めますか コーチングは、コーチとクライアントが共同しておこなうプロセスなので、コーチ一人の独断でセッションを進めず、必ずクライアントに確認しながらセッションを進めていきましょう。4. コーチングの効果効果コーチングは、個人の目標達成や自己成長をサポートするプロセスです。クライアントの思考を整理し、行動を変えることで、さまざまな効果が期待できます。(1) 自己理解の深化コーチングは、自分の強みや価値観を見つける手助けをします。クライアントは、コーチとの対話を通じて、自分が本当に望んでいることや、自分の強みなどを、客観的に見つめることができ、自己認識が深まります。(2) 目標達成コーチングは、明確で具体的な目標設定をサポートし、その達成に向けて一歩一歩進むための計画を立てる手助けをします。コーチは、目標に向かう過程で直面する障害について一緒に乗り越える方法を考えたり、使えるリソースについて探索したりなどして、具体的な行動をできるように支援します。これにより、クライアントは目標をより確実に達成できるようになります。(3) モチベーションの向上コーチングは、クライアントが自分自身の力を信じることを促し、自己効力感を高めるプロセスでもあります。内的な動機付けを引き出し、クライアントが自分の価値観や情熱に基づいて行動できるようになることで、持続的なモチベーションが保たれ、目標に向かって前進し続けることができます。5.まとめ本記事では、コーチングセッションの流れと、コーチングの効果について、解説してきました。コーチングは、クライアント自身が答えを見つけるプロセスであり、クライアントの持続的な成長やチャレンジを支援するものです。その効果は人生やキャリアのさまざまな面で活かすことができるものです。ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジでは、ICF認定の質の高い教育を受けながら、自己成長とともに他者をサポートするスキルを身につけることができます。独自のコーチング手法と少人数制の指導を通じて、実践的なスキルを磨き、目標達成に向けた確かなサポートを提供できるコーチへと成長できるでしょう。ぜひラッセルウェルビーイングコーチングカレッジでコーチングを学び、対人支援のスキルを身につけましょう。監修者プロフィール中原阿里:ICF国際コーチング連盟プロフェッショナルサーティファイドコーチ(PCC)、弁護士、公認心理師、上級心理カウンセラー、ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジ代表、CLARIS法律事務所代表弁護士、法務博士、ウェルビーイング経営アドバイザー。奈良女子大学英文科英語英文学科卒業、関西学院大学大学院司法研究科修了、米国イェール大学Science of Well-Being Course修了。弁護士として活動しつつ、2019年ウェルビーイングのためのアカデミックなコーチングスクール「ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジーRussell Well-being Coaching Collegeー」を設立。創立以来講師を務め多くのコーチを育成しながら、上場企業からNPO法人、大学、裁判所、弁護士会まで幅広い対象にコーチング研修を提供。現役の弁護士かつプロコーチとしても多数のクライアントを支援する。著書に「弁護士業務の視点が変わる!実践ケースでわかる依頼者との対話42例 コーチングの基本と対応スキル」(日本加除出版)など。最終更新日 2025年3月25日■関連記事・【GROWモデルとは?】コーチングの質問の型とすぐに使える具体的な質問例もあわせて紹介・コーチングとは?効果や意味、メリット、学び方をプロコーチがくわしく解説・コーチングの効果的な勉強法は?学び方やおすすめのスクールの選び方について■人気記事・【コーチングの質問とは?】質問の具体例をまとめた保存版リスト 避けるべきも紹介・質問の価値を高めるコーチングスキル傾聴とは?NG例もあわせて徹底解説・ICFコーチング資格の難易度比較|ACC・PCC・MCCの取得要件と実践のポイント・ICF認定コーチングスクールとは?取得できる3つの資格も合わせて紹介・コーチング資格は必要?いらない?資格がいる人・いらない人の違いを徹底比較!・ウェルビーイングコーチングとは:意味や資格について徹底解説