患者さんとのコミュニケーション、こんなお悩みありませんか?医師の業務は、診断や治療、手術だけではありません。実は、患者さんやそのご家族とのコミュニケーションにストレスを感じている医師の先生方が多いのです。「患者さんとの対話が難しい」「説明がなかなか伝わらない」といった悩みをかかえている方も多いのではないでしょうか。そこで今、注目されているのがコーチングのスキルです。この記事では、患者さんとのコミュニケーション力を高めたい医師がコーチングを学ぶ意味と、その実践方法について解説します。目次1. 医師の業務におけるコミュニケーションの課題医師の業務に、コミュニケーション上の課題があると感じることはありませんか?「医学的にはこうなる」「一般的にはこの治療法が考えられる」と説明しても、なかなか納得してもらえないケースに困った経験がある先生も多いのではないでしょうか。このような場合、医学的な助言だけでなく、患者さんやご家族の感情に寄り添うことが必要になってきます。だからこそ、相手の感情とどう向き合い、どのように対応したらよいのかを知っておくことは極めて重要です。そこで活かせるのが、コーチングのスキルです。2. コーチングが医師の業務にもたらすもの(1) 患者さんとの信頼関係の構築コーチングを活用することで、患者さんやご家族の話を丁寧に傾聴し、共感を示すことができます。その結果、患者さんは医師に安心感を抱き、説明や治療方針を受け入れやすくなります。信頼関係が強まることで、スムーズな診療が可能になります。(2) 説明力・納得度の向上患者さんやご家族が納得できる形で説明することで、治療への意思決定がスムーズになります。後になって、「本当はこういう治療がしたかったのに」「やっぱり納得がいきません」「先生は、私の気持ちをわかってくれない」などと言われた経験は、先生方なら一度はあるのではないでしょうか。このような言葉は、患者さんのために努力した過程をとても苦しく感じさせるかもしれません。同じ治療方針でも、患者さんにしっかり納得してもらえるかどうかは、医療の成功のカギを握るとも言えるでしょう。(3) 医師自身のストレスの軽減コーチングスキルを日々のコミュニケーションに活用することで、患者さんやご家族の不安を適切に受け止め、過度な電話や無理な要求に振り回されにくくなります。冷静かつ効果的なコミュニケーションが可能になり、医師自身の精神的負担も軽減されます。これによって、日々の業務にかかる時間も短縮される可能性があります。(4) チーム医療や後輩指導にも有効医師の業務には、多職種連携によるチーム医療や、若手医師・研修医への指導といった場面もあります。特にチーム内の連携や後輩指導においては、単なる知識の伝達だけでなく、メンバーの思考整理や意思決定、対人関係の課題に寄り添う姿勢で関わることが求められます。医師がコーチングのスキルを活用することで、チームメンバーや後輩の真の課題に気づく手助けをし、彼らが自ら納得して行動を選択する力を引き出すことができます。これは、医療現場におけるチーム全体のパフォーマンス向上にもつながり、医師にとって大きな強みになるでしょう。3. 医師の業務に活かせる具体的なコーチングスキルでは、具体的にどのようなコーチングスキルが医師の業務に活かせるのでしょうか。数あるコーチングスキルの中で、特に有効なのが、傾聴・承認・質問の3つです。(1) 傾聴(アクティブリスニング)傾聴は、医師が患者さんやご家族との信頼関係を築くために欠かせないスキルです。特に注意すべきは下記の3つです。話を最後まで聞く必ず、患者さんやご家族の話を最後まで聞きましょう。途中で話を遮ったり、自分の主張を通すことは避けましょう。相手の話を否定せずに、まずは受け止めることで、相手は安心して自分の考えや状況を話せるようになります。共感的な反応を示す相槌やうなずきを適切に使い、共感の態度を示すことはとても重要です。また、相手の言葉を大げさにならない範囲でリフレーズすることも、相手の話を促し、相手に寄り添う意思を伝えることができる手段です。相手の感情に寄り添うたとえば、「それは大変でしたね」「お辛かったでしょう」など、患者さんやご家族の感情に寄り添う言葉は効果的です。相手の気持ちを受け止め、感情を落ち着かせることにもつながります。(2) 承認次は、承認です。患者さんやご家族の存在や行動などを積極的に承認しましょう。たとえば、「これまでよく頑張ってこられましたね」「この状況で、ご自身でここまで調べていらっしゃるのは素晴らしいです」などと言葉がけをすることで、不安を取り除き、落ち着かせる効果があります。人は自分を認めてくれる人の話を受け入れやすい傾向があります。だからこそ、適切な承認を行うことで、説明や提案の説得力を向上させることにつながります。(3) 質問最後に、質問のスキルです。数多くある質問の種類の中で、未来を問う質問が有効な場合が多くあります。患者さんやご家族は、目の前の病状や過去の経緯にとらわれていて、柔軟な思考ができなくなっていることがあります。そんなときに、未来志向の質問を取り入れてみると、視点が切り替わることがあります。たとえば以下のような質問です。「この治療が終わったら、どんな生活をしていたいですか?」「今回のことで、一番大事にしたいことは何ですか?」ポイントは、どうしてこうなったという過去の問題に視点を合わせるのではなく、治療後の理想の状態や、患者さんが本当に望むことを考えることです。医師は、どんな病気にも必ず終わりがあることを知っています。しかし、患者さんにとっては、現状にのまれて、冷静な判断ができにくい場合もあるでしょう。質問には、相手の意思を引き出し、自分が決めたという実感や自律性を引き出す効果があります。積極的に活用してみましょう。4. コーチングを学ぶならラッセルラッセルウェルビーイングコーチングカレッジの代表は、2009年弁護士登録の現役の弁護士でもあります。弁護士としての豊富な経験に加え、国内外で複数のコーチング資格を取得し、現在、ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジの代表兼講師を務めています。受講生には、医師をはじめとする医療従事者の方々も多く、ウェルビーイングコーチングを学んでいます。これまでウェルビーイングコーチングを学んだ方々からは、「患者さんやご家族との関係性が向上した」「自分自身のストレスマネジメントがうまくできるようになってとても楽になった」という現場の声をたくさんいただいています。6. まとめ医師の業務には医学的な知識だけでなく、患者さんやご家族との対話力が不可欠です。コーチングを学ぶことで、信頼関係を築き、説明力を高め、医師自身のストレスを軽減することができるでしょう。特に、傾聴・承認・質問のスキルを活用することで、患者さんに寄り添い、より良い医療の提供へと導くことが可能です。医師の仕事は、病気を治すことだけでなく、患者さんやご家族のウェルビーイングにも深く関わるものです。ウェルビーイングコーチングを学んで、患者さんとご自身のウェルビーイングを高めていきませんか?当カレッジの次期ベーシッククラスの開講(2025年9月スタート)にあたり、プログラム詳細を案内する無料説明会も実施中です。説明会参加者様だけの受講費用1万円割引特典もご用意しています。お気軽にご参加いただければ幸いです。説明会はこちらからお申込みいただけます。監修者プロフィール中原阿里:ICF国際コーチング連盟プロフェッショナルサーティファイドコーチ(PCC)、弁護士、公認心理師、上級心理カウンセラー、ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジ代表、CLARIS法律事務所代表弁護士、法務博士。奈良女子大学英文科英語英文学科卒業、関西学院大学大学院司法研究科修了、米国イェール大学Science of Well-Being Course修了。弁護士として活動しつつ、2019年ウェルビーイングのためのアカデミックなコーチングスクール「ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジ」を設立。創立以来講師を務め多くのコーチを育成しながら、上場企業からNPO法人、大学、裁判所まで幅広い対象にコーチング研修を提供。現役の弁護士かつプロコーチとしても多数のクライアントを支援する。著書に「弁護士業務の視点が変わる!実践ケースでわかる依頼者との対話42例 コーチングの基本と対応スキル」(日本加除出版)など。最終更新 2025年7月5日■関連記事・ICFコーチング資格の難易度比較|ACC・PCC・MCCの取得要件と実践のポイント・【2025年】国際コーチング資格取得について:特徴や選び方をまとめて解説・コーチングとは?効果や意味、メリット、学び方をプロコーチがくわしく解説・ー2025年版ー【プロコーチが選ぶ】コーチングの学びにおすすめ本7冊と効果的な学び方とは・【コーチングの質問とは?】質問の具体例をまとめた保存版リスト 避けるべきも紹介・コーチングの効果的な勉強法は?学び方やおすすめのスクールの選び方について■人気記事・【GROWモデルとは?】コーチングの質問の型とすぐに使える具体的な質問例もあわせて紹介・【コーチングの承認とは?】人の成長を促すスキルを3つの効果と注意点をあわせて紹介・コーチングの学びに自己理解が大切な理由とは?重要性と方法を解説