「コーチングに資格は必要なのか?」コーチングを学ぶときに、この疑問を抱く人は多いのではないでしょうか。コーチングは今のところ日本では国家資格ではなく、資格がなくてもコーチとして活動できるため、「資格を取るべきかどうか?」を悩むかもしれません。また、コーチの資格取得には時間と費用がかかります。ただ闇雲にコーチ資格の取得を目指す前に、「どんな資格があるのか」「自分の目的にとって本当に必要なのか」をしっかり見極めることが重要です。この記事では、コーチング資格が必要な人・いらない人の違いについて、コーチング資格の概要とあわせて詳しく解説しますので、コーチング資格の取得を迷っている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。1. コーチング資格の概要コーチング資格とは、コーチとしての知識やスキルを体系的に学び、一定の基準を満たしたことを証明する資格です。コーチングは今のところ日本では国家資格ではなく、また、名称独占資格でもありません。つまり、資格を取得しなくてもコーチとして自分で名乗り、活動することは可能です。しかし、何の資格もない状態よりも、資格がある方が、クライアントや企業に対する信頼性の向上や、体系的な学習をする上で大きなメリットとなります。2. コーチング資格の種類コーチング資格には、発行団体によって大きく以下のような種類があります。(1) ICFコーチング資格ICF(国際コーチング連盟) は、コーチング業界で最も権威のある団体のひとつで、その規模も大きく、世界中で広く認知されています。ICFが発行する資格には以下の3つのレベルがあります。• ACC:初級レベル• PCC:中級レベル• MCC:上級レベルICF認定資格を取得することで、国際的な基準に基づいたコーチングスキルを持っていることを証明できます。ICF認定資格についてくわしくはこちらの記事をご覧ください。【2025年】国際コーチング資格取得について:特徴や選び方をまとめて解説(2) コーチングスクールや教育機関が発行するコーチング資格ICF認定資格のほかにも、コーチングスクールや大学などの教育機関が独自に発行するコーチング資格があります。それぞれのコーチングスクールや機関ごとに、特色や資格取得の要件は異なるので、ご自身のコーチング学習目標やスタイルにあわせて検討されることをおすすめします。3. コーチング資格をおすすめする人「コーチングを本格的に仕事にしたい」「クライアントに提示する客観的な実績がほしい」「学びをなにか形として残したい」と考えている方は、コーチング資格を取得することをおすすめします。(1) プロのコーチとして独立・副業したい人プロコーチとして、活動することを考えている方にとって、コーチング資格は非常に大きな武器になります。認定されたコーチング資格を保有していることは、コーチング学習の経験に加え、クライアントに対するコーチング実績を積んできた証だからです。特に、初めてクライアントを獲得する際には、有効に働くでしょう。(2) 企業研修や人材育成に関わる仕事をしたい人近年は、自律型組織を目指す会社、人的資本経営を掲げる会社などが増えています。これに伴い、企業が自社にコーチングの制度を導入するケースも年々増加傾向にあります。また、リーダー育成や社員のモチベーション・エンゲージメント向上のために、外部からプロのコーチを招いて研修を実施する企業も少なくありません。コーチングは人材育成やリーダーシップの養成に有効だからです。そのため、企業向けのコーチングを提供したい場合は、資格があったほうが有利でしょう。(3) コーチングを体系的に学びたい人資格取得のための学習プログラムは、ただ単に「資格を取る」ためのものではありません。しっかりとしたカリキュラムのもと、コーチングの基礎から応用、マインドから実践スキルまで体系的に学べるというメリットがあります。コーチングは、本を読むなどして独学で学ぶこともある程度は可能です。しかし、コーチングは一種のコミュニケーションスキルであり、実践を通して、あり方や振る舞いを習得していく要素がかなり大きいものです。だからこそ、しっかりとし体系化されたコーチング学習を通じて、トレーニングを積むことは大きな価値があります。また、何かを学ぶ際に、資格や試験をモチベーションアップとしてうまく使う人もいます。資格を目指すことで自分の学習意欲が高まり、よく身に着くというタイプの方は、資格を目指すメリットを活かせるでしょう。「自己流のコーチングで活動するのは不安」「体系的に学んでスキルを証明したい」「資格取得が学びのモチベーションアップになる」と考える方には、資格取得がおすすめです。4. コーチング資格がいらない人コーチング資格がなくても、十分に活躍できるケースもあります。以下のような方は、無理に資格を取らなくても問題ないでしょう。(1) 趣味や自己成長のために学びたい人「コーチングに興味があるけれど、仕事にするつもりはない」「まずは自分の成長のために学びたい」という方は、資格取得にこだわる必要はありません。コーチングスキルは、人間関係や自己理解の向上にも大きく役立つため、ビジネスとは関係なく、自分のため、または身近な人のために学びたいという方も多いです。その場合、資格取得を目指すのではなく、コーチング学習と実践に集中することがおすすめです。(2) すでにコーチングの実績や顧客がある人コーチングをすでに仕事として行っており、十分な実績と信頼を持っている場合は、資格が必須とは限りません。例えば、コーチやそれ以外の肩書ですでに知名度のある人や、すでに多数のクライアントを抱えている方にとっては、資格がなくても仕事の依頼が来るケースも多いでしょう。そのため、実績がある人にとっては、資格取得よりも経験を積み、クライアントの満足度を高めることが優先かつ有効かもしれません。(3) 社内でのリーダーシップや部下育成のために学びたい人自社内での人材育成やリーダーシップ強化のためにコーチングを学びたい場合、資格は必ずしも必要ではありません。特に、「社内での部下指導に活かしたい」「自分のマネジメントスキルを向上させたい」「自分のチームビルディングにコーチングを使いたい」という方は、資格取得よりも、実際のコミュニケーションの中でスキルを活用することが重要です。ただし、企業の人事部門や管理職向けにコーチングを提供する仕事を考えている場合や、自分が直接かかわらない別の部署でコーチとしての力量を提供したい場合などは、資格が有利になることもあるので、目的に応じて資格取得を検討するといいでしょう。5. まとめ|コーチング資格は自分の目的に合わせて選ぼう以上のように、コーチとしての活動に、コーチング資格は必須ではありませんが、どのように活用するかによって必要性がかなり異なります。プロのコーチとして独立・副業を考えている人や自社以外の企業研修で活用したい人には、資格が信頼性を高め、仕事の幅を広げるため有利です。一方、自己成長や社内活用が主な目的の人、すでに実績や顧客がある人には、資格よりもスキルを磨くことのほうが重要となるでしょう。資格を取るとしても、コーチング資格にはICF認定の国際資格、各コーチングスクール・大学が発行する資格などがあり、それぞれ特長が異なります。ご自身の学習スタイルやコーチング習得目的にあわせて検討しましょう。なお、もし資格取得を目指すなら、ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジがおすすめです。ICF認定プログラム対応で国際資格まで目指せます。ウェルビーイングを軸にビジネスにも自己理解にも使える充実のカリキュラムが特徴です。どのスクールで学ぶとしても、まずは無料説明会などを活用して資格制度や雰囲気なども合わせて確認し、ご自身にとって最適な学びの場を見つけることをお勧めします。ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジは、ICF認定のコーチングスクールとして、ウェルビーイングに特化したビジネスにも自己理解にも使える独自の学習プログラムを提供しています。コーチングの基礎から応用までを体系的かつ実践的に学ぶことができ、アカデミックな視点を交えながら深い理解を得られるカリキュラムが整っています。また、所定のプログラムを修了することで、ICF認定資格の取得に必要な要件を満たすことが可能です。プログラムは完全オンライン対応で、イーラーニングとライブ講義を組み合わせたハイブリッド型の学習方式を採用。多忙な方でもスケジュールに合わせて柔軟に学べる環境が整っています。さらに、修了後には無料で修了生向けのコミュニティに参加できるのも大きな特徴です。ウェルビーイングを軸にした豊かな人間関係を築ける点も、多くの修了生が価値を感じているポイントです。くわしいプログラム内容はこちらをご覧ください。著者プロフィール中原阿里:ICF国際コーチング連盟プロフェッショナルサーティファイドコーチ(PCC)、弁護士、公認心理師、上級心理カウンセラー、ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジ代表、CLARIS法律事務所代表弁護士、法務博士、ウェルビーイング経営アドバイザー。奈良女子大学英文科英語英文学科卒業、関西学院大学大学院司法研究科修了、米国イェール大学Science of Well-Being Course修了。弁護士として活動しつつ、2019年ウェルビーイングのためのアカデミックなコーチングスクール「ラッセルウェルビーイングコーチングカレッジーRussell Well-being Coaching Collegeー」を設立。創立以来講師を務め多くのコーチを育成しながら、上場企業からNPO法人、大学、裁判所、弁護士会まで幅広い対象にコーチング研修を提供。現役の弁護士かつプロコーチとしても多数のクライアントを支援する。著書に「弁護士業務の視点が変わる!実践ケースでわかる依頼者との対話42例 コーチングの基本と対応スキル」(日本加除出版)など。最終更新日 2025年3月6日■関連記事・コーチングとは?効果や意味、メリット、学び方をプロコーチがくわしく解説・ー2025年版ー【プロコーチが選ぶ】コーチングの学びにおすすめ本7冊と効果的な学び方とは・【コーチングの質問とは?】質問の具体例をわかりやすくした保存版リスト |やってはいけない質問も紹介・【2025年】国際コーチング資格取得について:特徴や選び方をまとめて解説■人気記事・コーチングの効果的な勉強法は?学び方やおすすめのスクールの選び方について・【GROWモデルとは?】コーチングの質問の型とすぐに使える具体的な質問例もあわせて紹介・「コーチングを学ぶ最適な方法とは?コーチングの難しさと確実に学ぶ方法をプロコーチが解説:本格的に学びたい方向け