前回のブログ「傾聴したい人は自己理解から始めるべき理由」で,傾聴=アクティブリスニングをするためには,自分をよく理解しておく必要があること,大事なのはリフレクションであると書きました。アクティブリスニングはウェルビーイングを循環させるために大切な態度,そのためにリフレクションは欠かせません。しかし,リフレクションには大事な注意事項があります。今日は,リフレクションをする際の取り扱い注意「内省の罠」と良いリフレクションのコツについてお話します。内省の罠リフレクションとは自分を振り返ることであり,もともとは反射,熟考,内省などの意味があります。ウェルビーイングな生き方のためには,自分と向き合って自分をよく理解することはとても大事なことです。ウェルビーイングは自分を受容して大切にすることから始まるからです。さて,人は自分を振り返るときに,自己否定を起こしたり,自分を傷つけてしまうことがあります。実際,自分で行う内省で,落ち込んだり,不安を高めてしまうケースはよくあります。皆さんも自分を振り返るときになんであんなことを言ってしまったんだろう今日もまた筋トレができなかった,どうして続かないんだろう自分はなんてダメな奴なんだなんてことが浮かんできたことはありませんか?これらは,すべて内省の罠にはまった状態。つまり,自分を否定する結果をもたらす内省の問いです。これはウェルビーイングな心の状態をもたらしません。リフレクションは自己否定の道具ではない ここで大事なことは,リフレクションとは自己否定の道具ではないということです。しかし,自分で行う内省は,自己否定につながりやすいことが研究によってわかっています。つまり,リフレクション・内省は、適切な方法で行う必要があり,それに失敗するとかえって自分が辛くなってしまいます。自己流で行う内省は,ちょっと危険ともいえるわけです。 そうなると,せっかく内省の時間をとっても,ウェルビーイングをつなぐ状態から遠ざかってしまうわけです。実際,私自身も,ヘタな内省を繰り返してどんどん落ち込んでいったことがあります。ええ,何度もあります。自分を整えたくてやっているのに,逆に不安が高まって自己否定感が増す・・・まったくウェルビーイングじゃない・・・。あの悪循環を繰り返していた自分に大きな声でこう言いたい。「内省は一人で始めるな!」でも大丈夫です。やり方さえ間違えなければ,自分への問いを立てることは非常に価値があります。リフレクションの仕方が身につくと,セルフコーチングができるようになり,自分を整えていく力がどんどん高くなっていく,自分のウェルビーイングを高める大切なプロセスであり,さらにウェルビーイングをつなぐための大切な道標になります。当カレッジではベーシッククラスの第二講座「自己理解とリフレクション」で,適切な内省の仕方やリフレクションについて(過去の自分の反省も込めて),ウェルビーイングをつなぐという観点から,とても丁寧に取り扱っています。ウェルビーイングをつなぐためのリフレクションのコツここで一つ,ウェルビーインをつなぐリフレクションのコツをお伝えします。それは,自分を掘り下げる時は、WHYではなくWHATで問いを立てるということです。つまり,「なぜだめだったんだろう?」「なぜ自分はあの時できなかったんだろう?」ではなく,「何がそれをもたらしたんだろう」「自分には本当が何ができただろう?」「今やるとすれば何を選ぶのか?」といった問いに変えて,自分にたずねること。これがウェルビーイングをつなぐのためのリフレクションの第一歩です。ぜひ今夜は,ウエルビーイングのための大切なリフレクションの時間をとってみてください。まずは,自分を知り認識して,まるごと受容することからウェルビーイングは始まるのです。